お祭りのこと

祈年祭(きねんさい)とはどのようなお祭りですか?

 古くは「としごいのまつり」ともいい、「年」とは稲を意味し、稲穂を蒔く季節の初めにあたって、その豊穣を祈願するお祭りです。いいかえれば人間の生命の糧を恵んでくださるようにとお祈りするお祭りといえるでしょう。 祈年祭では、稲だけでなく五穀の豊穣と国の繁栄、そして皇室の安泰や国民の幸福なども祈願されます...
神社・神道とは

天皇陛下のお祭りについて教えてください

 わが国が始まって以来、歴代天皇の最も大切なお勤めは、御親(おんみずか)ら世の平らぎをお祈りになる祭祀を執り行われることでした。そして今日に至るまで、祭りこそが天皇陛下の御位(みくらい)と不可分のお勤めであると申せましょう。 平素より天皇陛下が、宮中三殿・神嘉殿(しんかでん)あるいは御陵でご斎行にな...
いろんな疑問

万葉仮名(まんようかな)とは何ですか?

 『万葉集』が整えられた頃には、平仮名も片仮名もありませんでした。その為、言葉を文字で書き表すには漢字の意味に相当する言葉をあてて読んだり(訓)、漢字の字義を無視して音のみを借りたり、様々な工夫をして書き表しました。 これを『万葉仮名』と言います。『万葉仮名』がやがて仮名文字に発展しますが、極めて複...
お祭りのこと

大祓(おおはらへ)について教えてください

 日々の暮らしの中で知らず知らずのうちに、わが身の内外に降り積った悪しきものを祓い清め、無病息災を祈る神事を「大祓」といいます。これは毎年六月と十二月の二回、その月の末日に行われます。平安時代の法令集、「延喜式(えんぎしき)」にも、六月と十二月の大祓が記されており、古くから行われていたことがわかりま...
神社の施設

鈴振(すずふ)りとはどういったものですか?

 多くの神社では拝殿の中央に大きな鈴が吊るされています。では、拝む前に鈴を振るのは何故でしょう。鈴という道具の本来の目的は、楽器の一つとしてつくられたもので、形こそ違いますが世界中で用いられています。日本では楽器のほか、鈴の音に除魔の霊力があるとされ、神を祭るときに鈴が振られるようになりました。つま...
神社の施設

手水(てみず/ちょうず)について教えてください

 手水は、神前に向かう前の準備として、自らの身体と心を浄めるために行います。海や河原・滝などで行う「禊(みそぎ)」の略式にあたり、水の浄化の力により罪や穢れを洗い流します。手水の作法には、手を浄めることで身体全体を浄める「外清浄」と、口の中を浄めることで心を浄める「内清浄」の二つの働きがあります。 ...
授与品のこと

御朱印(ごしゅいん)について教えてください

 参拝の証として頂く「御朱印」。その起源は、奈良・平安の昔、神社仏閣に書写した経典を奉納した際に戴いた「納経受取(のうきょううけとり)の書付」ではないかと言われております。やがて、納経をせず参拝だけした場合にも証明を書いてもらうように変化したものと考えられております。 敬神の思いの結晶ともいえる御朱...
お祭りのこと

新嘗祭(にいなめさい)とはどのようなお祭りですか?

 「新」は新穀を「嘗」はご馳走を意味します。毎年十一月二十三日、天皇陛下が神嘉殿において御親らご栽培になった新穀を皇祖はじめ神々にお供えになり、神恩を感謝された後、陛下御親らも新穀を召し上がります。新嘗祭は、五穀の豊穣を祈願した二月の祈年祭と相対する関係にあり、新穀を得たことを神さまに感謝するお祭り...
神宮のこと

神宮(じんぐう)と祭主(さいしゅ)について教えてください

 日本には約八万の神社が鎮座していますが、伊勢の神宮は特別な御存在として、歴代天皇より格別な崇敬が寄せられました。 御鎮座以来、宮中御同様に、皇室の弥栄と国家国民の安寧、五穀豊穣が祈念され、古くは内親王(ないしんのう)・女王(じょおう)のうちから選ばれた「斎王(さいおう)」が神宮にお仕えになりました...
お祭りのこと

紀元祭(きげんさい)について教えてください

 第一代天皇神武天皇が、葦原中津国(あしはらのなかつくに)(注:日本の別称)を平定され、大和(奈良県)の橿原(かしはら)宮で御即位された「辛酉(かのととり)年春正月庚辰朔(かのえたつついたち)」の日を日本の紀元として祝うお祭りを紀元祭といいます。現在では現行暦に合わせて算定した二月十一日があてられ「...
神社・神道とは

斎庭稲穂(ゆにはのいなほ)の神勅(しんちょく)とは何ですか?

 天照大御神は、瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)が地上に降る際、三つの神勅(お言いつけ)をお授けになられました。「天壌無窮の神勅」「宝鏡奉斎の神勅」、そして稲穂と共に授けられた「斎庭稲穂の神勅」です。 吾が高天原にきこしめす斎庭の稲穂をもって、また吾が児にまかせまつるべし 天上(高天原)で天照大御神がお祭...
お祭りのこと

大嘗祭(だいじょうさい)について教えてください

 大嘗祭は、天皇陛下が即位後初めて新穀を皇祖・天神地祇(てんしんちぎ)に供えられ、親(みずか)らも召し上がり国家・国民のためその安寧と五穀豊穣などを感謝し祈念される祭祀で御一代一度の特別な新嘗祭です。皇室の祭祀の中でも、古来最も重要なお祭りとされてきました。室町時代の公卿・一條兼良は著書『御代始抄(...
お祭りのこと

旬祭(しゅんさい)とはどのようなお祭りですか?

 宮中三殿において毎月の一日十一日、二十一日には神々へ国家国民の平安をお祈りする「旬祭」が執り行われます。主に掌典長が祭典を行いますが、原則として一日の旬祭には天皇陛下の御拝礼があり、陛下御親(おんみずか)ら神々に感謝し国家国民の平安を祈念されます。 全国の多くの神社でも、「月次(つきなみ)祭」など...
お祭りのこと

天長祭(てんちょうさい)とはどのようなお祭りですか?

 天皇陛下の御誕生日をお祝いして、ご長寿並びに国民の平安をお祈りするお祭りです。「天長」とは、老子の「天は長く地は久し(天長地久/てんちょうちきゅう)」より引用され、古くは天皇陛下の御誕生日は「天長節」、皇后陛下の御誕生日を「地久節(ちきゅうせつ)」と呼んでいました。 天皇の徳を天に例え天が永遠であ...
お祭りのこと

皇霊祭(こうれいさい)とはどのようなお祭りですか?

 宮中では春分の日と秋分の日に皇霊殿において、天皇陛下が歴代の天皇・皇后・皇族の御霊をまつる皇霊祭と言う祭儀が行われます。 私たちの日常においても春と秋のお彼岸にご先祖様のお墓参りに行く習慣があります。「春のお彼岸」は農耕期に入る前、祖霊に日々の感謝を捧げ、家や家族をお守り頂けるようお祈りし「秋のお...
お祭りのこと

御田植祭(おたうえさい)とはどのようなお祭りですか?

 御田植祭は、その年の豊作を祈って行われる田植えの神事です。宮中では昭和天皇以来、毎年五月頃に皇居内生物学研究所にある水田に陛下御親(みずか)らお手植えなさいます。これは皇祖神である天照大御神から神勅とともに授かった「お米」に感謝し、米作りをなされ、秋には収穫した「お米」や「根付きの稲穂」を神々にお...
お祭りのこと

夏越大祓(なごしのおおはらへ)・茅(ち)の輪(わ)神事について教えてください

 多くの神社では六月と十二月の晦日(みそか)に、半年間の罪・穢れを祓清める「大祓」が行なわれますが、特に六月の大祓は「夏越大祓」とも言われ、暑い夏を乗り切れるよう無病息災を祈り、神社によっては茅の輪をくぐる神事が行われます。この茅の輪とは『備後国風土記(びんごのくにふどき)』の中で、武塔神(むとうし...
神社・神道とは

神道行法(しんとうぎょうほう)とはどのようなものですか?

 神明奉仕の為に神職が行う修行のこと。行法は、精神と身体のバランスを保つ為に重要なものであり、冷水をかぶる「禊行(みそぎぎょう)」や、魂を鎮める「鎮魂(ちんこん)行」等があります。 中でも、水の力により罪や穢(けが)れを祓う「禊行」は必須とされており、都内神社に奉仕する神職の多くが、一月の大寒禊、七...
いろんな疑問

中今(なかいま)について教えてください

 『続日本紀(しょくにほんき)』の宣命に記され、のちに本居宣長(もとおりのりなが)が「今をいふ也(中略)盛(さか)りなる真ん中の世とほめたる心ばへ有て」と解釈をした「中今」という言葉があります。その後、国民の住みよき世を目指し、日本の近代化を進めた明治の御代を経て「中今」は「現在とは過去と未来を結ぶ...
人生儀礼と年中行事

七五三(しちごさん)とはどのような行事ですか?

 七五三の起源は平安時代の公家の習慣に遡ります。当時は幼児の生存率が低く、特定の年まで命を繋ぎとめてくださったことを神様・御先祖様へ感謝し家族で祝う儀式として行われ、その後武家社会にも広がっていきました。七五三とは三つの儀式の総称で、古くは「髪置(かみおき)」「袴着(はかまぎ)」「帯解(おびとき)(...