人生儀礼と年中行事

人生儀礼と年中行事

煤払い(すすはらい)と掃除はどう違うのですか

 「煤払い」は「煤掃(すすは)き」ともいわれ、正月を迎えるにあたって、十二月十三日に家の内外を大掃除することをいいます。この煤払いが、十二月十三日に行われるようになったのは、その日が正月の「事始(ことはじ)め」といって、正月の準備を始める日であったことにちなむといわれています。 そもそも煤払いとは、...
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神無月(かんなづき)には神さまがいなくなるというのは本当ですか

 十月には「神無月」という異称があり、その語源については諸説あります。 例えば、十月は雷の鳴らなくなる月であることから「雷なし月」の意味だとする、江戸時代の国学者荷田春満(かだのあずままろ)の説や、神無月の「無」を「の」と解して「神の月」、つまり神祭りの月の意味だとする説。そして翌月に行われる新嘗祭...
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ご先祖さまのお祀りはどうするのですか

 仏教では位牌を仏壇に納めて供養しますが、神道では白木造りの霊璽(れいじ)を御霊舎(みたまや)に納めてお祀りします。日々のお祀りは神棚と同じようにお供えをしてお参りしますが、順番は神棚のあとになります。 ちなみに仏教では現世の名前とは別の戒名を付け、功徳を積んだ僧侶により迷わず極楽浄土に行けるよう供...
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年祝(としいわ)いについて教えてください

 長寿を祝う儀式を「年祝い」といいますが、この他に「算賀(さんが)」といういい方もあります。年祝いを広い意味で解釈した場合は、幼児期から始まる人生儀礼も含まれますが、一般的には還暦(かんれき)以後の祝いをさします。 私たちが使っている干支(えと)は、六十年で一巡して初めに戻る、つまり暦がもとに還りま...
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神前結婚式はいつ頃から行われていますか

 現在、神社以外にホテルなどでも特設の神殿を設けて、「神前結婚式」を行う所が多く見られますが、神前結婚式の歴史は、そう古いものではなく、普及し始めたのは明治以後のことです。 その契機となったのは、明治三十三年五月、当時皇太子であられた大正天皇と九条節子(くじょうさだこ)妃(貞明(ていめい)皇后)との...
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男女の厄年(やくどし)を教えてください

 日本には古来から、人生の節目を「厄年」として忌み慎む習(なら)わしがあります。厄年とは、人間の一生のうち、何らかの厄難に遭遇する恐れの多い年齢をいい、医学の発達した現代においてもなお、万事に慎まねばならない年齢として、人々に意識されています。 厄年とする年齢は、時代によって多少の変化はありますが、...
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成人式の由来を教えてください

 満二十歳になると、法律上でも責任ある一人前の成人として扱われます。この成人に達した人達を祝う儀式が「成人式」です。 現在では国民の祝日として、一月十五日に「成人の日」が定められていますが、この日には各地で成人に達した人達を祝う式典が催されたり、神社でも成人祭が行われ、神さまに成人となったことを奉告...
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七五三は男女それぞれ何歳で祝うのですか

 七五三の祝いを、古くは「髪置き(かみおき)」「袴着(はかまぎ)」「帯解き(おびとき)(紐(ひも)解き)」の祝いといっていました。髪置きは三歳の男女児の祝いで、もう赤ん坊ではないという意味から、今まで剃っていた髪をこの日から伸ばし始める儀式です。袴着は五歳の男児の祝いで、初めて袴を着ける儀式、帯解き...
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初節句(はつぜっく)には何をしたらいいのですか

 節句(節供)には「節日(せちにち)の供御(くご)」と、いう意味があります。「節日」とは季節の変わり目などに行う祝いの日を、「供御」とは神さまへのお供え物をいいます。つまり、節日には神さまへお供え物を捧げ、それをお下げして人々が共に食事をしたという習慣があったのです。今は節句と書くようですが、古くは...
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お食(く)い初(ぞ)めは生後何日目にするのですか

 一生食べ物に不自由しないようにとの願いを込め、誕生した子どもに初めて食べ物を与える(真似(まね)をする)儀式を「お食い初め」といいます。 地方により多少違いがあるようですが、生後百日目または百二十日目に行います。この頃になると、子どもにも歯が生え始めることから、その成長を祝う意味もあるのです。この...
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初宮詣(はつみやもうで)は生後何日目にするのですか

 「初宮詣」とは、親子ともども出産という大事を、神さまのご加護によって無事に終えたことの奉告と、子供の健康と成長、そして今後のご加護をお願いするために神社へ参詣する人生儀礼の一つです。 地方により多少違いがあるようですが、普通は男児が生後三十二日目(または三十一日目)、女児は三十三日目に参詣します。...
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名付けはお七夜(しちや)にするといいますが、なぜ七日目なのですか

 生まれてきた子どもに名前を付けることを「名付け」といい、「命名(めいめい)」といういい方もされます。 名付けを行う日は、時代や地方によって違いがありますが、一般的にはお七夜(出生後七日目に、子どもの名前を親戚や知人に披露する儀式)の日に行われます。現在の民法では、出生後十四日以内に出生地、本籍地、...
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着帯(ちゃくたい)の祝いを戌(いぬ)の日に行うのはなぜですか

 「着帯の祝い」とは、胎児の健全な発育を願い、妊婦が白布の腹帯(はらおび)(岩田帯(いわたおび))を締めるお祝いです。懐妊五ヶ月目の戊の日を選ぶのは、犬のお産が軽い(安産)ということにあやかりたいという願いからだといわれています。 ところで「安産祈願」とは、無事な出産を神さまに祈る儀礼ですが、この祈...
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酉(とり)の市(いち)に熊手(くまで)が売られるわけを教えてください

 毎年十一月の酉の日に、大阪府堺市にある大鳥神社を始め、全国の大鳥神社で行われるお祭りに、商売繁盛を祈って立つ市のことを「酉の市」といいます。「お酉さま」「酉のまち」ともいわれ、東京においては浅草の鷲(おおとり)神社が有名です。 酉の市では、福徳をかき寄せる、福をとり(酉)寄せるというところから、お...
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十五夜・十三夜に団子(だんご)や餅(もち)を供えるのはなぜですか

 「十五夜」とは旧暦八月十五日、新暦では九月中旬あるいは下旬に、満月を鑑賞する行事です。 「お月見」「名月(めいげつ)」「中秋(ちゅうしゅう)の名月」ともいわれ、昔から月見の好時節として詩歌や俳句の題材ともなっています。 一般的に十五夜には、すすきを花瓶に挿(さ)し、団子と里芋や梨など、その時期の成...
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九月九日を重陽(ちょうよう)の節句というのはなぜですか

 「菊の節句」「九月節句」ともいいます。昔、中国では奇数は陽の数とされていて、その中でも「九」という数は最大の数であり、それが重なることから「重陽の節句」といわれるようになりました。もとは節供とも書きました。 中国ではこの日、菊の芳香で邪気を払い寿命が延びるようにと願って、菊酒(菊をひたした酒)をく...
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お盆は仏教だけの行事なのですか 神道のお盆は

 「盆」とは仏教固有の行事のように考えられがちですが、決してそうではありません。これは、正月行事などと同じように、古くから伝わる日本固有の先祖祭りの行事なのです。その日本の行事と、仏教でいう先祖供養の行事が一緒になり、盆として習俗化したといわれています。 盆には、亡き人の霊が家に戻ってくるとされ、も...
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七夕(たなばた)で笹竹に短冊(たんざく)をつけるしきたりはいつ頃始まったのですか

 「七夕」といえば、牽牛(けんぎゅう)星と織女(おりひめ)星が年に一度、七月七日に天の川をはさんで逢うことができるという伝説が有名ですが、元々は、織女星をお祭りして裁縫(さいほう)や習字などが上達するように祈る、「乞巧奠(きこうでん)」という行事から生まれました。 そして、中国から伝来した伝説と行事...
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端午(たんご)の節句(節供)の「端午」とはどういう意味ですか

 端午の「端」には初めという意味があり、「午」は五と同音であることから、初めの午(うま)の日あるいは毎月の五日のことを、古くは端午といっていました。ですから、今のように五月五日に限らず、五月以外の月の五日もさしていたようです。 五月五日の「端午の節句(節供)」には、鯉のぼりを立てたり、武者人形などを...
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雛祭(ひなまつ)りの本来の意味について教えてください

 三月三日の「雛祭り」とは、雛人形やその調度類を飾り、白酒・菱餅(ひしもち)・桃の花などを供えて、女児の健(すこ)やかな成長を祈る行事です。「桃の節句」「上巳(じょうし)の節句」ともいい、かつては節句を節供と書きました。 上巳とは、旧暦三月の「上旬の巳(み)の日」のことであり、中国では、この日に祓い...