お参りのしかた

散米(さんまい)と賽銭(さいせん)について教えてください

 現在では参拝の際、賽銭箱に金銭を入れお詣りすることが一般的ですが室町時代以前は金銭ではなく、収穫した農作物や海山の幸をお供えしていました。中でも、天照大御神によって授けられたと伝わるお米は神聖なもので、神の恵みに感謝し収穫したお米をお供えすることで翌年の豊作を願いました。神聖なお米を白紙に巻いて包...
神社・神道とは

家庭祭祀(かていさいし)について教えてください

 神棚(宮形)に天照大御神・各氏神・崇敬神社のお神札(お札)をおまつりし、朝に夕に神恩感謝のお参りをすることを家庭祭祀と言います。 お札は必ずしも宮形が無ければならない訳ではなく、お札のみを並べておまつりすることもできます。何よりも尊ぶ心を持って、真心を込めておまつりすることが大切です。 お札の取り...
いろんな疑問

干支(えと)について教えてください

 干支とは、十干(じっかん)と十二支を組み合わせた六十周期の数詞のことで、十干十二支とも言います。十干には、甲(きのえ)・乙(きのと)・丙(ひのえ)・丁(ひのと)・戊(つちのえ)・己(つちのと)・庚(かのえ)・辛(かのと)・壬(みずのえ)・癸(みずのと)の十種類があり「え(兄姉)」と「と(弟妹)」が...
人生儀礼と年中行事

追儺式(つひなしき)について教えてください

 追儺とは「おにやらい」とも呼ばれ疫病等をもたらす疫鬼を追い祓い災厄や邪気を除く行事です。もともと中国から伝えられた習俗ですが続日本紀(しょくにほんき)によると文武天皇の慶雲三年(七〇六)に諸国で疫病が蔓延し多くの死者が出たので「おにやらい」を宮中で行なったとの記述があり日本で初めての追儺の儀式と考...
お祭りのこと

鎮花祭(ちんかさい)とはどのようなお祭りですか?

 鎮花祭は疫病がはやらぬ様、疫神(えきがみ)をおもてなし、和め鎮める祭です。 『新拾遺和歌集』に「のとかなる春のまつりの花しづめ風おさまれと尚いのるらし」とあるように、春花が咲くころ人の心は不安定となり、そのすきに疫神が病をおこすと考えられています。桜の花の咲くころに行われる鎮花祭の起源は、第十代崇...
お祭りのこと

春祭りとはどのようなお祭りですか?

 春は日本人にとって一年の始まりで多くの神社では春祭が執り行われます。その年の農耕の始まりを神様にお告げして秋の実りを祈ります。 「すべてのものに神様が宿る」という神道的考えから農作業に関わる全てを大事にしながら、無事に秋の実りを迎える事ができる様にお願いします。神様へ「御恵」に対する感謝をささげる...
神社の施設

参道(さんどう)の中央は歩いて良いのですか?

 参道の中央は「正中(せいちゅう)」や神様の通り道なので避けるべきと言う人がいます。本来「正中」とは社殿内・祭場内で御神座の真正面の事を言い、参道に「正中」や神様の通り道はありません。 どのような道でも中央を歩くことは慎しむべきです。武士は刀がぶつかり合う事を避けたので日本では左側通行になったと言わ...
いろんな疑問

忌火(いみび)とはどのようなものですか?

 「忌火」とは、潔斎(けっさい)をした神職により火鑚(ひきり)等の古来の道具によって新しく熾(おこ)された神聖な火の事で、この火を使って神前に供える物の煮炊きを行います。 伊勢神宮外宮の御饌殿(みけでん)で毎朝毎夕に行われる日別朝夕大御饌祭(ひごとあさゆうおおみけさい)では前日より忌火屋殿にて「火鑚...
神社・神道とは

神社とボーイスカウトの関係はどういうものですか?

 ボーイスカウトは入団時に「ちかい」をたてます。誠実や感謝等の徳を日々養うこと。他人を助ける事。そしてその実践を神様と自分自身に対して誓います。これらの考え方は神道と共通する部分も多く、健全な青少年の育成の為、全国の神社関係者によるスカウト組織が昭和三十六年に発足。その年の夏には神宮が鎮座する三重県...
神社・神道とは

「むすび」とはどういう意味ですか?

 古事記の中で「産巣日(むすひ)」と表記される「むすび」は、特別な意味があります。産巣日は高天原(たかまのはら)に二番目に誕生した高御産巣日神(たかみむすひのかみ)と、三番目に誕生した神産巣日神(かみむすひのかみ)の名にあり、万物を生成する霊なる神という語意があります。 苔むす、縁結びのように、何か...
授与品のこと

神宮大麻(じんぐうたいま)とはどのようなものですか?

 お家にお札をおまつりする時に大切なことは、神宮大麻と氏神様のお札を一緒におまつりすることです。 神宮大麻は伊勢の神宮のお札、伊勢の神宮は国の総氏神様として、天からの恵みを広く皆さんに分け与えて下さいます。氏神様は地域の神様として足元からお家を守って下さいます。天と地、どちらの神様も敬うのが神社の信...
いろんな疑問

お焚き上げとはどのような意味がありますか?

 お神札・お守は受けた神社へ感謝の気持ちを込めたお参りをして納めます。お参りは願う時だけでなく必ずお礼参りを致しましょう。 お焚き上げとはお神札とお守に対し神職が感謝の誠を捧げ、忌火を以て焼上げ、天上に立ち上る煙の如く御神霊が元のお社にお戻りになることを祈る神事です。 近年特に都内では境内でお焚き上...
人生儀礼と年中行事

成人の日に行う「成人奉告祭」とはどのような行事ですか?

 わが国では、古来より人の成長を祝う人生儀礼は氏神様に奉告し感謝するお祭りでありました。誕生の初宮詣で氏子入り、成長の姿を七五三詣で感謝し、成人の時に元服、加冠の儀で祝いました。加冠の儀は烏帽子親(えぼしおや)より冠を授かり、幼名を廃して諱(いみな)を付け、社会の一員と認められました。 鎌倉以前の清...
神社の施設

神社にはなぜ鳥居(とりい)があるのですか?

 「鳥居」は神社の象徴となっていますが、これは神社の入り口に建つ一種の門であり、神様の聖域と人間世界との境界を示したものだと言われています。鳥居の起源については、一説によると天照大御神の岩戸隠れの中で夜明けを告げる長鳴鶏(ながなきとり)を止まり木にとまらせて鳴かせたという神話に由来し、それ以後、神前...
神社・神道とは

浄明正直(じょうめいしょうちょく)とは何ですか?

 「浄明正直」とは清(きよ)き(浄き)、明(あか)き(明るい)、正しき、直(なお)き(素直な)心のことで神道の根本を表わす言葉の一つです。古事記や日本書紀にも現在の「善」を表わす言葉として「きよき」「あかき」などの言葉が多く登場することから、古来より私心の無い清らかで澄んだ心が個人や社会にとって重要...
人生儀礼と年中行事

初宮詣(はつみやもうで)はどのような行事ですか?

 昔は子供が大人になる前に病などで亡くなることが多く、成長の節目ごとに無事を祈り感謝する様々な神事が営まれて来ました。 初宮詣は生後一カ月を迎えた子供(男児は三十一日・三十二日、女児は三十三日目)を日々身近で生活を御守りくださる地元の氏神様の元に参詣する神事です。初宮詣により氏神様の大きな力とご加護...
お参りのしかた

拍手とどういうものですか?

 拍手とは、神様を拝むとき、両手を合わせて音を立てる作法です。音を立てる際、二回、四回、八回と作法により鳴らす数に違いがありますが一般の神社祭式では二拝二拍手一拝と二回打つことで知られています。三回以下の拍手は、短拍手、短手(みじかて)と呼び、四回以上手を打つものを、長拍手、長手などと呼びます。また...
式年遷宮について

御遷宮の諸祭事について教えてください

 第一回は持統天皇4年(690)以下第62回(平成25年)の日程を解説致します。平成17年5月の山口祭(御用材伐採・搬出の祈願)から始まり、平成18・19年御木曳(古式のままの奉曵)行事、次いで鎮地祭(新宮のとこ鎮め)平成21年11月宇治橋渡始式、平成24年3月立柱祭・上棟祭と諸祭行事が行われてまい...
式年遷宮について

式年遷宮とはどういう意味か教えてください

 20年に一度の定めの年を式年と言います遷宮は宮うつしの意です。 新嘗祭と御遷宮の関係は「斎庭の稲穂の神勅」(日本書記第二の一書)より伝わり、各地の神社では新穀を神前に供え、五穀豊饒・国家安泰を祈願し、稲作文化に培われる祖先の生活規範伝承の為新嘗祭が斎行されます。 皇室即位儀礼の年に新嘗祭の日時に行...
式年遷宮について

古い用材はどうなりますか?

 全国各地ゆかりの深い神社に払い下げられ、造営や修繕に再活用されたり、正殿の棟持柱は宇治橋の大鳥居になりますさらに20年後には参道入口の鳥居となります。