人生儀礼と年中行事

十五夜・十三夜に団子(だんご)や餅(もち)を供えるのはなぜですか

 「十五夜」とは旧暦八月十五日、新暦では九月中旬あるいは下旬に、満月を鑑賞する行事です。 「お月見」「名月(めいげつ)」「中秋(ちゅうしゅう)の名月」ともいわれ、昔から月見の好時節として詩歌や俳句の題材ともなっています。 一般的に十五夜には、すすきを花瓶に挿(さ)し、団子と里芋や梨など、その時期の成...
人生儀礼と年中行事

九月九日を重陽(ちょうよう)の節句というのはなぜですか

 「菊の節句」「九月節句」ともいいます。昔、中国では奇数は陽の数とされていて、その中でも「九」という数は最大の数であり、それが重なることから「重陽の節句」といわれるようになりました。もとは節供とも書きました。 中国ではこの日、菊の芳香で邪気を払い寿命が延びるようにと願って、菊酒(菊をひたした酒)をく...
人生儀礼と年中行事

お盆は仏教だけの行事なのですか 神道のお盆は

 「盆」とは仏教固有の行事のように考えられがちですが、決してそうではありません。これは、正月行事などと同じように、古くから伝わる日本固有の先祖祭りの行事なのです。その日本の行事と、仏教でいう先祖供養の行事が一緒になり、盆として習俗化したといわれています。 盆には、亡き人の霊が家に戻ってくるとされ、も...
人生儀礼と年中行事

七夕(たなばた)で笹竹に短冊(たんざく)をつけるしきたりはいつ頃始まったのですか

 「七夕」といえば、牽牛(けんぎゅう)星と織女(おりひめ)星が年に一度、七月七日に天の川をはさんで逢うことができるという伝説が有名ですが、元々は、織女星をお祭りして裁縫(さいほう)や習字などが上達するように祈る、「乞巧奠(きこうでん)」という行事から生まれました。 そして、中国から伝来した伝説と行事...
人生儀礼と年中行事

端午(たんご)の節句(節供)の「端午」とはどういう意味ですか

 端午の「端」には初めという意味があり、「午」は五と同音であることから、初めの午(うま)の日あるいは毎月の五日のことを、古くは端午といっていました。ですから、今のように五月五日に限らず、五月以外の月の五日もさしていたようです。 五月五日の「端午の節句(節供)」には、鯉のぼりを立てたり、武者人形などを...
人生儀礼と年中行事

雛祭(ひなまつ)りの本来の意味について教えてください

 三月三日の「雛祭り」とは、雛人形やその調度類を飾り、白酒・菱餅(ひしもち)・桃の花などを供えて、女児の健(すこ)やかな成長を祈る行事です。「桃の節句」「上巳(じょうし)の節句」ともいい、かつては節句を節供と書きました。 上巳とは、旧暦三月の「上旬の巳(み)の日」のことであり、中国では、この日に祓い...
人生儀礼と年中行事

節分は秋にもあるといいますが本当ですか

 「節分」とは立春の前日をさします。そもそも節分という語は、立春だけに限らず立夏・立冬・立秋の前日をさし、四季の節目を意味していた言葉でした。つまり、節分は一年に四回あったわけですが、旧暦では立春が年の始まりにあたったことから、この節目が特に重要視されて、いつしか節分といえば、立春の前日をさすように...
人生儀礼と年中行事

左義長(さぎちょう)(三毬杖)は何をする行事ですか

 平安時代の宮中では、清涼殿(せいりょうでん)の東庭で青竹を束ねて立て毬杖(ぎちょう)三個を結び、その上に扇子(せんす)や短冊(たんざく)などを添え、陰陽師(おんみょうじ)が謡(うた)いはやしながらこれを焼く「左義長」という行事がありました。今日では正月十五日前後に行われ、民間行事として正月の松飾り...
人生儀礼と年中行事

鏡開(かがみびら)きは昔から一月十一日に行われてきたのですか

 「鏡開き」とは、正月に神さまへ供えた鏡餅(かがみもち)を、一月十一日に下げて食べる風習をいいます。 鏡餅は刃物で切らずに、手や槌(つち)で割って食べるのがしきたりですが、刃物を使わない理由としては、餅が固いことと「切る」という言葉を忌むためです。ですから鏡開きというように、「開く」という縁起のよい...
人生儀礼と年中行事

春の七草(ななくさ)の名称を教えてください

 七草は「七草の節句」の略であり、「人日(じんじつ)」とか「若菜の節」ともいわれています。 これは一月七日の朝に、七草といわれる芹(せり)・薺(なずな)(ペンペン草)・御形(ごぎょう)(母子草(ははこぐさ))・はこべら(はこべ)・仏の座(田平子(たびらこ))・菘(すずな)(蕪(かぶ))・すずしろ(大...
人生儀礼と年中行事

お年玉の「玉」とはどういう意味ですか

 日本では古くから、新年のお祝いとして、年の始めに贈り物をし合う習慣があり、すでに室町時代には盛んに行われていたようです。贈り物としては、金子(きんす)や餅、筆や紙などの品が用いられ、これらを「年玉」と呼んでいました。 つまり、年玉とは「年の賜物(たまもの)」という意味なのです。 現在では、正月に子...
人生儀礼と年中行事

屠蘇(とそ)は年長者から飲むものですか、年少者からですか

 正月に年明けを祝って飲む延命長寿の薬酒を「屠蘇」といいます。正月に屠蘇を飲むようになったのは、中国では唐の時代からで、日本においては平安時代の初期からといわれています。屠蘇は、みりんの中に山椒(さんしょう)・桔梗(ききょう)・肉桂(にっけい)などの薬草をひたしたもので、これを飲むことにより邪気が払...
人生儀礼と年中行事

鏡餅(かがみもち)の飾り方について教えてください

 円くて平たい、大小二個の餅を重ねたものを「鏡餅」といいます。これは、豊作をもたらし五穀豊穣を守る、年神(としがみ)さまへのお供えです。そもそも餅というのは、米から作られるもので、神さまのお恵みによって授けられた賜物(たまもの)といえるでしょう。これを年神さまに供えることにより、感謝の気持ちを表すの...
人生儀礼と年中行事

門松(かどまつ)はなぜ立てるのですか

 新年を祝って、家の門口などに飾られる「門松」とは、その年の神さまをお招きするための目印であり、また、神さまがお降りになったときに宿られる場所(依代(よりしろ))を表すものです。もともとは、松・杉・椎(しい)・榊(さかき)といった常緑樹を用いていたようですが、いつしか主として松を用いるようになり、そ...
お家のお祭り

神棚にお寺のお札をまつってもよいのですか?

一般的には、お寺のお札は仏壇がある場合には仏壇に、ない場合には神棚の隣などにおまつりします。(山口県神社廰HPより)
お家のお祭り

神棚と仏壇は同じ部屋でもよいのですか?

 同じ部屋でもよいでしょう。一般的には、神棚と仏壇は横並びか上下に少し間隔をあけて設けます。上下の場合には神棚を上にまつります。また、お供え物は別にしましょう。(山口県神社廰HPより)
人生儀礼と年中行事

神社ではなぜ数え年なのですか

 年齢の数え方には、お正月を迎えることにより年齢を一つ加える「数え年」と、自分の誕生日ごとに一歳の年齢を加える「満年齢」があります。 神社で「数え年」を聞かれるのは、我が国では、お正月が各家庭で「年神様」を迎えて、新たな年の五穀豊穣と家族の幸せを祈る大切な行事ですので、その時に合わせて家族皆が一歳ず...
神社にいる人たち

氏神様の総代とお寺の総代を兼ねることはおかしなことですか

 神社の総代と寺院の総代とでは、その意味も異なってきます。このため、二つを兼ねること自体を矛盾と捉える考えもあるようですが、日本人特有の信仰や歴史的な側面を考えた場合、こうしたことが決して矛盾することではなく、また間違ったことではないことに気づくのです。 仏教の日本への伝来は六世紀半ばといわれていま...
神社・神道とは

今まで町内会の回覧板に神宮大麻や御神札の注文を回覧して取り纏めをしたり、地区の役員が各家庭を訪問して神宮大麻や氏神神符の頒布をお願いしていましたが、昨今地区内の一部の住人から町内会やその役員が神宮や神社の御神札を配布することは宗教活動にあたり政教分離に反するのでやめるべきだと言われました。また、町内会の集会所や掲示板に神社のポスターやお祭りの案内なども貼ってはいけないと言われましたが本当に政教分離違反なのでしょうか?

 町内会の運営は、法人化している町内会は法人規則、その他の町内会も団体ごとに定められた規約に規定され、民主的なルールに則り団体構成員たる住民の過半数の賛同を得れば、町内会の活動として神社をはじめとする宗教的行為を行う事に問題は無く、町内会の所有建物である集会所にポスター等を掲示する事にも何ら法律上の...
お家のお祭り

玄関が二つある二世帯住宅の家庭では、お神札は一体でよいのですか?

 日々の食事・団欒等生活の行動が一緒の場合には、お神札は一体でかまいませんが、生活行動が別々の場合には、お神札も別々におまつりします。しかし、我が国では古来より一つ屋根の下に二世代・三世代の家族が各々助け合い、楽しく生活することを理解としております。