今まで町内会の回覧板に神宮大麻や御神札の注文を回覧して取り纏めをしたり、地区の役員が各家庭を訪問して神宮大麻や氏神神符の頒布をお願いしていましたが、昨今地区内の一部の住人から町内会やその役員が神宮や神社の御神札を配布することは宗教活動にあたり政教分離に反するのでやめるべきだと言われました。また、町内会の集会所や掲示板に神社のポスターやお祭りの案内なども貼ってはいけないと言われましたが本当に政教分離違反なのでしょうか?

神社・神道とは

 町内会の運営は、法人化している町内会は法人規則、その他の町内会も団体ごとに定められた規約に規定され、民主的なルールに則り団体構成員たる住民の過半数の賛同を得れば、町内会の活動として神社をはじめとする宗教的行為を行う事に問題は無く、町内会の所有建物である集会所にポスター等を掲示する事にも何ら法律上の問題はありません。
 町内会(地域により自治会や隣組とも称する組織、以下「町内会」と表記)の回覧板や役員の方に協力いただいて御神札の頒布をしている神社が県内では多数を占めており、皆様の地域でもこのように地域と一体となって頒布することに異議を唱える方がおられるかもしれません。
 戦前の町内会は、市町村などの行政機関の補助機関とするために内務省訓令によって全国各地域に組織されたもので、神宮大麻や氏神神符の頒布もこれら町内会を通じて各家庭に頒布しておりましたが、戦後、占領軍の指令によって戦前の行政機関の一部とされた町内会の全ては解散されております。
 現在、地域にある町内会は戦前の町内会と性格を異にし、制度的にも断絶した自主的団体として結成されております。
 地方自治法第二六〇条の二第六項に「当該認可を受けた地縁による団体を、公共団体その他の行政組織の一部とすることを意味するものと解釈してはならない。」とわざわざ記載されておるのも、市町村長にて法人格取得の承認することを以て市町村行政の下請団体となったような疑念を挟ませない為であり、明確に行政組織とは関わりの無い事が明記されております。
 このように町内会の運営は、法人化している町内会は法人規則、その他の町内会も団体ごとに定められた規約に規定され、民主的なルールに則り団体構成員たる住民の過半数の賛同を得れば、町内会の活動として神社をはじめとする宗教的行為を行う事に問題は無く、町内会の所有建物である集会所にポスター等を掲示する事にも何ら法律上の問題は無いのであります。
 如何に地域全体に向けて結束を図るか、現代社会においてはとても難しい事ではありますが、そのために努力することこそが先人より託された私たちの大切な使命の一つであります。
 神社と地域住民との関係が良好であればあるほど、神社への信仰も強まり神宮大麻の頒布や御祭礼もより盛大に一層向上するものでありますので、地域とのつながりを深めていただきますようお願い申し上げます。

長野県神社庁HPより)