人生儀礼と年中行事

人生儀礼と年中行事

節分は秋にもあるといいますが本当ですか

 「節分」とは立春の前日をさします。そもそも節分という語は、立春だけに限らず立夏・立冬・立秋の前日をさし、四季の節目を意味していた言葉でした。つまり、節分は一年に四回あったわけですが、旧暦では立春が年の始まりにあたったことから、この節目が特に重要視されて、いつしか節分といえば、立春の前日をさすように...
人生儀礼と年中行事

左義長(さぎちょう)(三毬杖)は何をする行事ですか

 平安時代の宮中では、清涼殿(せいりょうでん)の東庭で青竹を束ねて立て毬杖(ぎちょう)三個を結び、その上に扇子(せんす)や短冊(たんざく)などを添え、陰陽師(おんみょうじ)が謡(うた)いはやしながらこれを焼く「左義長」という行事がありました。今日では正月十五日前後に行われ、民間行事として正月の松飾り...
人生儀礼と年中行事

鏡開(かがみびら)きは昔から一月十一日に行われてきたのですか

 「鏡開き」とは、正月に神さまへ供えた鏡餅(かがみもち)を、一月十一日に下げて食べる風習をいいます。 鏡餅は刃物で切らずに、手や槌(つち)で割って食べるのがしきたりですが、刃物を使わない理由としては、餅が固いことと「切る」という言葉を忌むためです。ですから鏡開きというように、「開く」という縁起のよい...
人生儀礼と年中行事

春の七草(ななくさ)の名称を教えてください

 七草は「七草の節句」の略であり、「人日(じんじつ)」とか「若菜の節」ともいわれています。 これは一月七日の朝に、七草といわれる芹(せり)・薺(なずな)(ペンペン草)・御形(ごぎょう)(母子草(ははこぐさ))・はこべら(はこべ)・仏の座(田平子(たびらこ))・菘(すずな)(蕪(かぶ))・すずしろ(大...
人生儀礼と年中行事

お年玉の「玉」とはどういう意味ですか

 日本では古くから、新年のお祝いとして、年の始めに贈り物をし合う習慣があり、すでに室町時代には盛んに行われていたようです。贈り物としては、金子(きんす)や餅、筆や紙などの品が用いられ、これらを「年玉」と呼んでいました。 つまり、年玉とは「年の賜物(たまもの)」という意味なのです。 現在では、正月に子...
人生儀礼と年中行事

屠蘇(とそ)は年長者から飲むものですか、年少者からですか

 正月に年明けを祝って飲む延命長寿の薬酒を「屠蘇」といいます。正月に屠蘇を飲むようになったのは、中国では唐の時代からで、日本においては平安時代の初期からといわれています。屠蘇は、みりんの中に山椒(さんしょう)・桔梗(ききょう)・肉桂(にっけい)などの薬草をひたしたもので、これを飲むことにより邪気が払...
人生儀礼と年中行事

鏡餅(かがみもち)の飾り方について教えてください

 円くて平たい、大小二個の餅を重ねたものを「鏡餅」といいます。これは、豊作をもたらし五穀豊穣を守る、年神(としがみ)さまへのお供えです。そもそも餅というのは、米から作られるもので、神さまのお恵みによって授けられた賜物(たまもの)といえるでしょう。これを年神さまに供えることにより、感謝の気持ちを表すの...
人生儀礼と年中行事

門松(かどまつ)はなぜ立てるのですか

 新年を祝って、家の門口などに飾られる「門松」とは、その年の神さまをお招きするための目印であり、また、神さまがお降りになったときに宿られる場所(依代(よりしろ))を表すものです。もともとは、松・杉・椎(しい)・榊(さかき)といった常緑樹を用いていたようですが、いつしか主として松を用いるようになり、そ...
人生儀礼と年中行事

神社ではなぜ数え年なのですか

 年齢の数え方には、お正月を迎えることにより年齢を一つ加える「数え年」と、自分の誕生日ごとに一歳の年齢を加える「満年齢」があります。 神社で「数え年」を聞かれるのは、我が国では、お正月が各家庭で「年神様」を迎えて、新たな年の五穀豊穣と家族の幸せを祈る大切な行事ですので、その時に合わせて家族皆が一歳ず...
人生儀礼と年中行事

お正月の行事ついて教えてください

 お正月には歳神さまが訪れ、一年の幸をもたらします。各家庭では注連縄や注連飾りを飾り、門松をたてて歳神さまを迎え、神棚や祖霊舎(みたまや)には若水とお正月料理を供えます。家族そろって挨拶を交わし、お屠蘇(おとそ)やおせち料理、お雑煮などをいただいて、新年の訪れをお祝いします。神さまやご先祖さまと一緒...
人生儀礼と年中行事

お正月について教えてください

 「年」(とし)とは、その年の稲の実りを表わす言葉で、春より収穫の秋に至る稲作の営みを意味しています。このことから分かるように、お正月は、単に一年という時の流れの始まりではなく、「歳神(としがみ)さま」をお迎えして、その年が豊作であり、世の中が平穏無事に、すべてのことが順調に行なわれるようにと、お祈...
人生儀礼と年中行事

上巳(じょうし)の節供(せっく)とは

 3月3日の「桃の節供」のことを古くは上巳の節供と呼び、春を寿ぎ無病息災を願う厄祓い行事でした。上巳(旧暦3月最初の巳の日)は季節の変わり目で、災いをもたらす邪気が入りやすいと考えられていたため、この日に紙や草で作った人形(ひとがた)で自分の体をなで、穢(けが)れを移した人形を川や海へ流して厄を祓っ...
人生儀礼と年中行事

なぜ初詣(はつもうで)をするの?

 最近では正月三が日の休業という古来の伝統が破られました。若者が町に出るようになって、大人たちもこれに習ったためです。わざわざ年頭の三日間を休みにするのには意味がありました。神や祖先を迎え、おもてなしをするためなのです。そのためには厳重な忌(い)み籠(ごも)りが必要でした。そのお籠(こも)りの日が大...
人生儀礼と年中行事

雑煮(ぞうに)の由来は何?

 神様にお供えしたお下がりを煮炊(にた)きしたものが雑煮(ぞうに)です。雑煮に餅(もち)や野菜が入っているのはそのような事情によります。神や祖先とお供えを一緒に頂くことはその力を頂戴することです。そのお力を恩頼(みたまのふゆ)<神さまのお力の強まり>と呼びます。
人生儀礼と年中行事

若水(わかみず)汲(く)みとは?

 今日なお正月に若水汲みを行う地域が各地にあります。「神や祖先のいらっしゃる所からもたらされたものが水である」と昔の人は考えました。その「水をお供えすれば神や先祖が喜びなさる」と考え、日ごとに差し上げました。これを一年の初めに捧げるので若水と呼びます。神や祖先に差し上げた後に、家族も頂くことになりま...
人生儀礼と年中行事

正月って何?

 暮れにはどの家庭でも大掃除をし、神棚(かみだな)のある家では注連縄(しめなわ)を取り換え、玄関に注連飾(しめかざ)りを付けます。新年を迎えるための準備です。こうした仕度(したく)が何のために行われるのかが忘れられつつあります。ついこの間までは誰もが知っていました。正月が三日間もお休みなのは、歳神(...
人生儀礼と年中行事

「初穂料」など、お供えするときの表書き方について

 日本は古来、稲作をはじめ農業を中心に国づくりを進めてきました。ですから、みのりの秋には「ありがとうございました」という感謝の気持ちを込めて、その年に初めて収穫された稲穂などの穀物を神さまにお供えします。これを初穂といいます。野菜や果物、魚などの初物も同様です。神社にお供えするお初穂という言葉は、こ...
人生儀礼と年中行事

煤払いについて

 煤払いという行事をご存じでしょうか。 これは1年に1度、家の煤を払い、内外の掃除をすることをいいます。全国的に12月13日に行われることが多く、まもなく新年を迎えることから、併せて大掃除を行うことも多い年の瀬の行事です。今でも各地の神社で、この行事は残っており、テレビや新聞などでその様子が伝えられ...
人生儀礼と年中行事

七五三(しちごさん)とはどのような行事ですか?

 七五三の起源は平安時代の公家の習慣に遡ります。当時は幼児の生存率が低く、特定の年まで命を繋ぎとめてくださったことを神様・御先祖様へ感謝し家族で祝う儀式として行われ、その後武家社会にも広がっていきました。七五三とは三つの儀式の総称で、古くは「髪置(かみおき)」「袴着(はかまぎ)」「帯解(おびとき)(...
人生儀礼と年中行事

追儺式(つひなしき)について教えてください

 追儺とは「おにやらい」とも呼ばれ疫病等をもたらす疫鬼を追い祓い災厄や邪気を除く行事です。もともと中国から伝えられた習俗ですが続日本紀(しょくにほんき)によると文武天皇の慶雲三年(七〇六)に諸国で疫病が蔓延し多くの死者が出たので「おにやらい」を宮中で行なったとの記述があり日本で初めての追儺の儀式と考...