初午祭(はつうまさい)とは

お祭りのこと

 2月の最初の午の日に、全国各地の稲荷神社で五穀豊穣を願い行われる祭事を「初午祭」といいます。これは京都の伏見稲荷大社の御祭神である宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)(倉稲魂神)が、和銅四年(711年)二月初めの午の日に稲荷山に降臨されたことに由来します。尚、伏見稲荷大社によりますと「この頃全国的に季候不順で五穀の稔りの悪い年が続いたため、(中略)山背国(やましろのくに)の稲荷山に大神を祀られたところ、五穀大いに稔り国は富み栄えた、この祭祀された日こそが和銅4年の2月初午であった」との見解もあるそうです。稲荷とは「稲成(いねなり)」、つまり稲が成育することを意味し、五穀をつかさどる農業の神様です。稲荷神社は全国各地に三万社あるといわれ、その数の多さからもいかに日本が農耕の国で農業の神様を大切にお祀りしてきたかが伺い知れます。中世から近世へと商工業が発達するに従って、従来のように農業だけでなく、衣食住と諸産業の神様として崇敬されるようになりました。そのため現在の初午祭では五穀豊穣のみならず商工業の発展や商売繁昌も願い祭事が行われています。

(令和5年の生命の言葉より)